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コンサート (Concerti)＞HIDEYO SALON N.25>ダッラ L. 「カルーソ」
| ダッラ L. 「カルーソ」 |
ナポリ出身の大テナー歌手エンリーコ・カルーソ（1873−1921）は、アメリカに渡り大成功を収めました。 不治の病に倒れイタリアに帰国。 ソレントで療養中、10歳の愛娘をいとおしみながら歌います。 また、カルーソという名字は、孤児のために使われた姓の一つで、おそらく彼か家族の起源は、孤児であったろうと推測できます。
(m4v 4'01")
≪カルーソ≫
ここ、海が輝くところ
風が強く吹く。
ソレント湾の前にある
古いテラスで、
男はひとしきり泣いた後
彼女を抱きしめる。
そして、咳払いをして声を整えると
再び歌い始めた。
「君を大切に想っている。
とても、とても…
それは、深い絆となり
お互いの熱い血が溶け合うほどに…」
海のむこうに光を見、
彼方アメリカの夜を思い出す。
でもそれは、ただの漁り火と
船の白い軌跡…
調べの中に苦しみを感じ、
彼はピアノから立ち上がる…
一筋の雲間から
月が出てくるのを眺めていると、
彼には死さえも甘美に思えてくる…
彼女の瞳を見つめると、
それは海のような翡翠色。
そして突然こみあげる涙。
彼は、そこで溺れてしまうだろと
信じていた…
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